緑と清流に囲まれた自然豊かな度会町。
町内在住の女性が集まる商工会女性部では町を元気にするため、様々な活動に取り組んでいます。
3年前より継続する獣害対策への活動が認められ大手カレーチェーン店とのコラボが実現。
確実に実績を上げる活動の秘訣をお伺いしました。

度会町商工会女性部部長 木本 タヱ子さん

■無理せず出来ることから 町内在住の女性が集合 

度会町商工会女性部が設立されてから今年で33年目を迎えます。
会員は、商工会に所属する事業者の女性と、女性部の活動に賛同してくれた30代~70代までの町内の女性50人で構成されています。
「無理せず、参加できるところに出てきてね」という姿勢で会員に協力をお願いしています。



シカコロオチャメカレー


■幅広い活動を通じて 強い信頼関係を築く

年間を通じて様々な活動を幅広く行っています。
6月と12月には駐在所や児童館など町内7ヶ所にあるプランターへの花植え、町内の老人ホームの盆踊りへの参加や、春と秋の交通安全週間には交通安全啓発のお手伝いをしています。
昨年12月には、三重県商工会女性部連合会の活動の一環として、ペットボトルのキャップを集める「エコキャップ運動」にも参加しました。
洗う、乾かすなど手間がかかりましたが、熱心な会員さんの協力もあり、県下最高の8万6千個ものキャップを集めることができたんですよ。

普段の活動を通じ様々な人と繋がることで会員同士の輪が保てていますね。
冗談が通じ合える人ばかりなので、行事の後の慰労会などほっとできるひと時を共に過ごせるのが楽しく、活動の励みになっていますね。
何より、家族や周りの人々の理解を得られたからこそ、こうして活動が続けられているのだと、皆さんのご協力には感謝しています。



ミートボール(左) 肉そぼろ(右)


■獣害への取り組みとして 様々な料理を商品化

平成21年度より獣害対策の一環として、猪や鹿を活用した特産品作りに取りかかりました。
役場の調理室をお借りして、ミートボール、ハンバーグ、そぼろなど、猪肉や鹿肉を使った様々な料理を試作。
地元フランス料理レストランのシェフから手ほどきを受けるなどたくさんの方のご協力を得て、そぼろ、ミートボール、カレーを商品化しました。
これらの商品は、宮リバー度会パーク内にある物産販売所『バザールわたらい』にて販売しています。


辻井 清子さん(左) 世古 暁美さん(右)

■これまでの活動が認められ カレーチェーンとコラボ
昨年9月に行われた『獣害フォーラム』でこれまでの活動を発表したところ、私たちの獣害対策への取り組みを知った三重県の方よりお声をかけていただき、大手カレーチェーンの「カレーハウスCoCo壱番屋」さんとのコラボが実現しました。
これは、県内の全30店舗で県内産鹿肉を使ったカレーを6月〜7月の期間限定で売り出そうというもの。
トッピング用としてコロッケ、メンチカツ、ハンバーグを試作し、提案させていただきました。
その結果、カレーに合う、老若男女から好まれるなどの点から鹿肉のコロッケの提供が決定。
当初は大きな企業さんに認めていただけた嬉しさばかりを感じていましたが、これまでの商品作りとは求められる規模や安全基準も異なり、身の引き締まる思いを感じたのも事実です。


西村 美佐子さん(左) 縄手 和子さん(右)

■強い責任感の一方で 嬉しさとやりがいも

このコロッケには三重県産鹿肉のミンチとブロック肉が加えてあり、手作業でないと作れないため、当初は一日で100個作るのがやっと。
いただいた注文にきちんと間に合わせられるのか心配でしたが、週3日以上もコロッケ作りに取り組んだ結果、今では段取りよく作れるようになり、7月中旬には1万5千個を出荷できました。
会員同士でカレー店を訪れた際、お店の方から「売れてますよ」と教えていただけたり、多くの注文を受けたときは、大変だけど嬉しいですね。
会員には食関係の仕事に携わる人が少ないので、今回は良い経験になりました。
今後もコロッケ作りは継続させ、地域の学校給食などで扱ってもらえればと考えています。
こういった事業は自分たちだけでは出来なかったことです。
私たちも獣害対策への取り組みを続けながら、県などと協働していくことも必要ですね。


松原 ふさ子さん(上左) 福井 千佳子さん(上右) 藤原 貞子さん(下)
 
■事業を継続、発展させ 末永い活動の継続を
これまでの活動をさらに発展させ、末永く事業を続けていけることが希望です。
若い人にも参加してもらい、新しい事業も展開していければ。道の駅のような人々が集まれる場所を作り、そこで食堂をしたい、宮リバー度会パークを拠点として町を盛り上げたいなど、会員の夢はつきないんですよ。

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度会町商工会会長 杉本 喜助さん

■度会町活性化のために 女性部の協力は欠かせません

何年もかかって様々な商品を開発し、地道な活動が実を結び、今回の『CoCo壱番屋』さんとの事業に結びついたことはとても素晴らしいと思います。
この事業は他地域の商工会からも注目を集めています。
この活動が実績となり、自信にも繋がっていくのではないでしょうか。
県の支援を得て色々な設備も整えたので、商品作りは今後も継続して行っていただきたいです。
そして、女性部の皆さんの協力を得ながら、町内の様々な団体も巻き込み、度会町を活性化させる活動を広げていきたいですね。